その努力は、何かを得ればそれで終わりではなく、不断の努力が必要である。
良い音の追求もその一つである。
僕ら楽器人は、良い音を追求し、良い音で音楽を奏でることを幸せと考えるが、
その良い音は、いい楽器を買っただけで決して終わることはない。
楽器は手に入れて以降絶えず変化を続けている。
弦の劣化や、弓の毛の消耗。指板下がりに、剥がれ。あらゆる変化が音を蝕む。
私は今まで、いい楽器を買って、自分で音を探求すれば良くなると思っていた。
それは違った。
良い音を引き出す秘訣を持った技術者との協力があってこそ、
いい楽器から、良い音を引き出すことができるのだ。
高円寺の人との出会いはその一つ。
会って、腹を割って話をしたこと。
良い弓を売ってくれたこと。良い音の出し方を、弓から教わり、
良い音を出すための楽器のチューニング(≠メンテナンス)を施してくれたこと。
その全てが、良い音を引き出すための、良い方向に向かっていたこと。
今自分が、こんなにも練習に集中し、楽器の些細な問題に頭を悩ませられることのないこと。これぞ幸せだと思う。
とまぁ、練習中に雑念に心を乱されないことは、我らアマチュアにとっては願ってもないことです。
大抵のアマチュア(自分も含め)は、やれ弓の毛が、弦が、松脂が、姿勢が、弓が、楽器がとたえず多くの事柄に心を奪われ、良い音なんて二の次になっています。
良い技術者と会って、話をし、良い弓を譲っていただき、楽器の調整を施してもらう。
これが我らアマチュアにとってどんなに幸せなことか。
せっかく、高円寺の人と出会っても、持論を追求したり
他の工房に通ったり、試行錯誤することは、無駄です。
素直に話を聞いて、弓を買いましょうw
今まで、何年弾いてきたか存じ上げませんが、その時間を「無駄」と言い切れるほど
自分の弾き方、人生、価値観。あらゆるものが瓦解する。そんな体験を味わってほしいものです。
それはさておき、
カイザー、クロイツェル、無伴奏チェロ。
今日は2時間しかありませんが、 随分と集中して弾けたと思います。
この集中できる時間こそが幸せ。
試しに、今まで使ってきた弓を改めて使ってみましたが、
驚くほど腰がない。腕の重さが、弓に吸収されていきます。
力を込めても、込めた分だけ吸収されて、駒をドライブさせるに至りません。
こんな弓で練習するくらいなら、高円寺に通うべきです。
貯金をはたいて、良い弓を買いましょう。そして、「良い音」を追求しましょう。
今までに、浪費した時間以上にお買い得です。
新作弓なんて、数十万も出せば、そんじょそこらのプロより良いもんが買えます。
肩当てとか、松脂とか、弦とか顎当てにこだわっている暇があれば、高円寺に行ってみてください。
そこには、僕たちの「良い音」があります。
といいつつ、ベルナルデルの松脂使ってるのは内緒な。
暑くて、乾燥してる日はギョームではグリップを得られないんだ。仕方ないんだよ。
最適な摩擦力が得られてるから、これでいいでしょ。
と、高円寺にいったら、ベルナルデル使ってますって、打ち明けて、
それにあった調整にしてもらうんだ。
これが、一番いい。はず。
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